




ブ ドウ栽培は、ヴィニュロン(ブドウ栽培者)にとって絶え間ない仕事です。秋の終わり、葉が 落ちてから、ヴィニュロンはブドウの木の剪定を行います(ブドウの木が冬を越すための栄養を蓄えられるようにその後でのみ行う)。収穫量はコート・デュ・ ローヌのアペラシオンの場合、1ヘクタールあたり52ヘクトリットルを超えてはなりません。これは質の良いブドウを得るために欠かせない条件のひとつで す。伝統的な仕立ては、ゴブレット型です(2芽までの短い枝が6本)。
シラー種など一部のセパージュは枝が垂れ下がり、風に対する耐性があるので、コルドン仕立 てにしたり、パリサージュ(枝を針金に固定すること)を行います。ひとりの人間が冬の4ヶ月間に10~15ヘクタールの剪定をします。この季節はまた畑を 耕したり、土地に肥料を与えるのにも適しています。
3月になると、ブドウの根のシステムが目覚め、剪定した枝から樹液が出ます。これはブドウの木が泣くと表現されます。ブドウは4月に発芽し、葉や枝が徐々に現れます。このため、ブドウを病気や寄生虫から守らねばならず、これは収穫まで続きます。
早い地域では(アペラシオン南部)、ブドウは6月初めに開花します。そこで、栽培用の機械の通りを楽にし、ブドウの房に日光が良く当たるように、「摘葉」を行います。
ブドウの実は成長し(結実)、7月末には緑色から赤またはゴールデンイエローになります(色づき)。
8月終わりには熟度の検査を行い、9月上旬になってやっと収穫を始めます。
ちょうどよく熟したブドウを収穫すると、ブドウ栽培家はワインセラーでの仕事を始めます。
白ワインは、破砕、圧搾をした白ブドウから作られます。低温でデブルバージュ(おり下げ)を行い、選抜した酵母を入れるとアルコール発酵が始まります。最大限のアロマを保存するために、温度は18~22℃に保ちます。マロラクティック発酵は行わず、白ワインにさわやかさを残します。ろ過した後で、ワインは瓶に詰められます。醸造後は2ヶ月から1年熟成させます。
ロゼワインは、白い果肉の黒ブドウから作られます。ブドウは破砕し、発酵タンクに入れる前にたいてい除梗します。ワインに求める色の強さや収穫果の状態によって、4~24時間のマセラシオン(浸漬)を行います。次にタンクからブドウ果汁を取り出す「セニエ(血抜き)」という作業を行います。そして、この果汁を、場合によっては清澄した後、最大限のアロマを保つように18~22℃で発酵させます。ロゼワインのはつらつとした感じをこわさないために、マロラクティック発酵は望ましくありません。
赤ワインは、黒ブドウから作られます。収穫果は破砕、そして多くの場合除梗してから、発酵タンクに入れます。アルコール発酵には選抜した酵母を使用し、アロマを引き出すのとしっかりした骨格を得るために25~32℃で行います。発酵時間は、軽いワイン(プリムールなど)にするか長期熟成型ワインにするかによって違い、3~15日間です。発酵タンクの果汁(圧搾機にかけなくても自然に流れる果汁=フリーランジュース)を流し切ってから、ブドウを圧搾し、プレスジュースを得ます。フリーランジュースとプレスジュースは通常混ぜ合わされます。
天然甘味ワインは、白ブドウのミュスカ(マスカット)種または黒ブドウのグルナッシュ種から作られます。アルコール発酵の途中で発酵をストップさせる中性アルコールを加えることにより(ミュタージュ)、天然の糖分が保存されます。
発泡ワイン(ペティヤン)は、白ブドウから伝統的な方法で作られます(瓶の中で二次発酵)。
アッサンブラージュは緻密な作業です。同じ産地の複数のキュヴェを合わせることで、ワインの品質を高めることができます。これは確かな鋭い嗅覚と、ワインが進化する上での時間による効果についての正しい認識を必要とします。
アッサンブラージュは、マロラクティック発酵の前または後と、醸造の異なる段階で何度も行うことができます。
この作業はまた、除梗や破砕、ブドウの実全体のマセラシオン(浸漬)、ピジャージュ(かい入れ)など、ワインに際立った特徴を与えるそれぞれのワイン醸造技術に応じて行われます。
いずれにせよ、ヴィニュロンにとって、最大限の複雑さ、アロマ、骨格を引き出すことが重要です。オーケストラの指揮者であるヴィニュロンは、絶え間ないハーモニーを求めたシンフォニーのように指揮します。
熟成は、発酵の終了から始まり、瓶詰めまで続きます。熟成期間は数ヶ月から数年に及びます。
熟成はワインを安定させ、香りや風味などの特徴を引き出すために行われます。
ゆっくりした酸化現象は、ワインを透明にする、ガスを抜く、色合いを強める、タンニンを和らげる、アロマの複雑さを発達させるなどの効果があります。